
「知床五湖」で見かけたエゾヤマゼンコ(蝦夷山前胡)です。青黒く沈んだ霧の湖畔の風景の中に、白い手を広げたような花姿でした。白の中にちりばめられた黄色と薄緑が、暗い空に負けない輝きを放っていました。
よく似た花のミヤマゼンコ(深山前胡)は本州中部の高山で見られる日本固有種。ともにセリ科エゾノシシウド属です。
エゾノシシウドは北海道の海岸近くに見られるもので、山地に咲くエゾヤマゼンコと区別されていますが、同種のものだそうです。
ちなみに「前胡」はセリ科の薬用植物。エゾノシシウドはイノシシが好む草だそうです。イノシシ君にとっての健康食品なのかもしれません。